大阪ポエトリーリディング並びに文学フリマ大阪御礼及び文学フリマ福岡参加宣言
初秋の頃、夜長めっきり肌寒くなりました頃、皆様に於かれましてはご壮健のこととお喜び申し上げます。
今回のブログは少々長くなりますが、この地獄を耐え、最後までお読みいただければ僥倖です。
さて、先日の9/20に開催されました文学フリマ大阪では大変お世話になりました。たくさんの方とお話しする機会は、引きこもりの私にとっては滅多になく、大変刺戟的な日となりました。手にとってくださった方の中でも、パラパラっとめくり、共感を得たというようなことでご購入いただいた方もあり、こうした手売りのイベントは一期一会の一言に尽きます。
また前日のポエトリーリーディングは初めてのイベントで、身体が痺れるような感動をいただきました。楽しい詩あり、寂しい詩あり、趣のある空間で詩情と遊ぶ感覚は新鮮なものでありました。
合宿のような宿に泊まらせていただいて、作家陣と夜な夜な修学旅行のように語り明かしたこともよい思い出です。
皆様本当にお疲れ様でした。そしてありがとうございました。
そして、弊社の拠点である福岡でなんと文学フリマが開催されるということで、弊社もその恩恵に預かり、出店する運びとなりました。ゆくゆくはもっと福岡が文学の街として繁栄することを願いながら、本の頒布に勤しみたい所存です。
この度の出店に預かり、二点告白しなければならないことがあります。
1点目、弊社は大坂文庫さまと合体配置します。
2点目、弊社は文学結社猫さまの委託販売をします。
まず1点目の告白で申したように弊社は大坂文庫さまと合体配置するのですが、それにあたって、無料配布本を頒布します。
「日表造形社×大坂文庫」0円
日表造形社メンバーである小柳日向と、大坂文庫メンバーである上住断靭、猿川西瓜の掌編集を載せた、無料お試し版みたいなものです。会場内で5分くらいで読める仕様になっているので、気になった方はまたあ−05,06に立ち寄っていただければ幸甚。
また、合体配置企画として二冊購入の方はお得な100円の割引をいたします。
次に2点目の告白でしたように、文学結社猫さまからの委託作品から紹介させていただきます。
「私はあなたに触れたいという欲求が私はあなたに触れられないという禁則から逆説的に生まれていることを知ったとき、私はあなたに生かされていると感じる」(通称:イカサレ) 500円
美少女は読んでいる。美少女になりたい人も読んでいる。美少女が好きな人も読んでいる。
架空の街浦崎で展開される川原明日架という美少女視点で進行する物語。独特の文体でありながらにしてスピード感のある読みやすさ、またえもいわれぬ詩情にいつの間にか絶望に追い詰められてしまう。
あなたは物語の展開にどこまでついていけるだろうか?
「夜の信号が何処までも青なら。」700円
堕ちてゆくのを感じている。
出逢ったときを覚えている。
別れるときを、知っている。
この本を手にする時、諸氏は何を期待しているだろうか。或いはどんな可能性を夢見るだろうか。クソサブカルナイーブ野郎こと国重崇一の視点から描かれる物語は、男の野卑ないやらしさや勝手きわまる処女信仰、少女に対する幻想だとか十代の自意識だとか、どれを取ってみても救われない。それでいて、救いを求める精神が肉体からは離脱し、救いを必要とする当人を俯瞰して物語は進むのである。徒に運命のサイコロ遊びに興じ、あまねく読者の期待や夢を裏切り、物語は閉じられ、読み終えた暁には本を投げ出し叩きつけたくなるほどの絶望に包まれているだろう。読み応えのある文体に、質量のある詩情。何かに期待しては裏切られ、痛みやつらみかなしみを知るあなたにこそ読んでほしい作品である。
この物語に救いはあるのか?
続いて弊社刊行物の案内
小柳日向 最新刊「寄生」 600円
愛と暴力の為の、純文学。
母子家庭で育ち、虐待に耐え、世の中を恨みながらもしあわせになる為に祈る17歳の主人公、倉橋龍。主人公に寄生し出す幻覚の虫を巡り、限りない透明度を希求して、私たちは循環してゆく。
引きこもったり、虫の幻覚に悩まされたり、心から信じられる友人ができたり、その友人と傷つけ合ったり、初めて恋を知ったり、凡そ青春のすべてが詰まっている。それでいて、やりきれない暴力や愛情の波に飲まれ、しあわせになりたいはずなのに、受動的にしか動けない。もどかしさ。暴力と愛の境目はどこにあるのだろうか……?苦しみもがき、果てなく循環するセンチメンタル。憎悪に満ちた虫の幻覚をめぐる人間模様。
あなたはこの物語に耐えられるだろうか?
日表造形社詩誌シリーズ第一弾 500円
「二日酔いのモナムール」
執筆陣:上住断靭、泉由良、森井聖大、小柳日向、牟礼鯨の五人を迎えた日表造形社が企画する詩誌シリーズの第一弾である。 散文作家や俳人が韻文に挑んだ究極にロックな詩集になっている。 詩誌と謳いながらも、詩あり、俳句あり、短歌あり、落語あり、と幅広い表現で作家の独自の世界を繰り広げている。 手元に持っておきたい一冊である。
五人の思惑が錯綜する。極めて珍しい詩誌。
何度も読みたくなるような詩情がそこにはある。
小柳日向 初短編集「透明物語」 700円
純粋なまま現代を生き抜くことは容易いことではない。確実に大人として生きていかなければならない。
濁されていく精神を引き摺り、それでも純粋に生きるため透過する少女と、その少女を追いかける男の優しい物語、透明物語。
その他、三編の透明系短編、一編の詩を収録。嘘と本当、触れられるものと触れられないもの、過去と未来、理想と現実。私たちは何かを天秤に掛けながら選択を迫られ生きている。
これは純粋でありたい人のための愛と切なさの物語集である。
今年の5月に発刊し6月には売り切れた短編集。
ついに増版決定。
第二版を刊行するにあたって、内容を一編さしかえた。
第一版で収録されていた「透明人間」という物語を外し、「透映」という話をさしこんだ。
掲載順としては、「透漏」「透写」「透明物語」「透映」「透視」となっている。
どの短編も、息苦しい現代に生きるものが、呼吸しやすい透明な空気を求めて生きる話である。
死んでしまいたいほど息苦しいあなたに読んでもらいたいのである。
大変長くなりましたが最後までお読みいただきありがとうございます。
あ−05、06にてこころよりお待ち申し上げております。