hinatazoukeisha’s blog

日表造形社:2015年4月創立純文学文芸結社。主催:小柳日向。活動:主に純文学小説の創作と販売。傍で、詩誌のアンソロジー企画と装丁画の外注や紙媒体のデザインも請け負っている。

第4回福岡ポエイチ作品紹介 その②

 

 

2015年6月6・7日12時〜17時、冷泉荘、福岡市博多区上川端町9−35 にて第四回福岡ポエイチが開催される。
今回のブログでは日表造形社が委託させていただくa-8大坂文庫さまの刊行物についての紹介をさせていただく。
(間借りさせていただく身でありながら、弊社の刊行物しか紹介していなかったことに一抹の申し訳なさがよぎった。)


①帰宅したら弟がニート(既刊)
大坂文庫アンソロジー企画第一弾。
テーマ不在であり、作家陣を公募で集めた。
そしてこれが大坂文庫が結社して初の刊行物になる記念すべき一冊である。五人の作家によって書かれ、読みやすい仕上がりとなっている。弊社の小柳は小説ではなく装幀の方で携われせていただいた。思い返せばこれが二年前の出来事なのである。まだまだ、弊社が結社するなど夢にも思わなかった頃の話であると考えると思い出深い一冊である。

 

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②あの心地を求めて時速六十キロ(既刊)
アンソロジー企画第二弾。テーマ「偏愛」。
偏愛というテーマだけに色濃ゆい作品が8作品も掲載されている。我々が通常では体験し得ないような愛の形を追体験することができる仕様になっている。この本では弊社はノータッチですが、小柳は猿川さんと上住さんの作品とか好きだったりするので、是非読んでほしい。

 

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③見上げた男(既刊)
アンソロジー企画第三弾。テーマ「虚勢」
「見上げた男!彼を私はよく知っている。彼はまず妻を殴っておいて、妻の髪をすいてやる。(ゲーテ)」。
この本から既存の本の一部からタイトルを持ってくるという試みに至ったらしい。いいタイトルだと思う。
執筆陣も10人と急増し、テーマ掌編を合わせれば11作品も掲載されている。こんなに作品があれば好みの作品を見つけたい放題である。一応小柳は小説を寄稿している。
作家陣の腕がすごいと思う一冊。オススメの本。

 

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④だが、何のために?(新刊)
アンソロジー企画第四弾。テーマ「懊悩」。
題名はクラーク「幼年期の終わり」より抜粋されたよう。
今回も執筆陣10人、11作品だが、前回とメンバーは少しだけ入れ替わり、また違ったテイストの作品が入り混じったアンソロジーになっている。新刊なだけに、銘々気合の入りようが素晴らしく、一つ一つの作品に厚みがある。陰では鈍器と呼ばれるような分厚さ。小柳は再び小説を寄稿。また、今回弊社を立ち上げた際の装幀画依頼第一号がこの「だが、何のために?」であったりするので、弊社としても記念すべき一冊・・・。実は、在庫残り少ないそう。お早めにお買い求めください。

 

 

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⑤忍嚆矢(既刊)
上住断靱著作。
大坂文庫さまの代表をされている上住さんの単著。忍者小説短編集。
ハードボイルドな文体で繰り広げられる世界観が読みどころな作品となっている。歴史物が好きな方にオススメ。

 

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⑥めんたいたこやき(新刊)
大坂文庫上住断靭×日表造形社小柳日向著作。
初めての共著であり、日表造形社を結社するにあたって文学フリマでの合体配置などの企画の一環として発刊された新刊である。
めんたいことたこやきのゆるきゃらが目印の表紙だが、中身は大阪と福岡の旅行記のようなラブコメディを書いている。担当のページを交互に書いて制作したので、どちらがどのパートを書いているのか考えて読んでもいいかもしれない。

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大坂文庫の刊行物は以上である。福岡ポエイチという詩のイベントだが、すべて小説の本である。しかし、小説の中にも詩的な要素とは多分にあるものである。
小説だからといって見逃すのはもったいない。是非、立ち止まってお気に入りの作品を見つけて欲しい。